埼玉県蓮田市精神障害者当事者会「そよ風」 2019年度 第06回(通算第62回)定例会
≪スローガン≫『一人では心細いですね?大丈夫。みんなでハッピーになりましょう!』
【開催日時】2019年09月21日(土)、13:00~16:00
【開催場所】蓮田市図書館、和室
【今回の流れ】①「わかちあいについて」の読み合わせ(流れ・目的・ルールの確認)→②自己紹介→③今後の予定、報告・連絡・相談→④わかちあい ※随時、休憩をとりました。
①「わかちあいについて」の読み合わせ
わかちあいについて
― 流れに沿って、目的を共有し、ルールを守って、楽しくやりましょう ―
≪わかちあいの流れ≫
ファシリテーター(進行役)がわかちあいの流れや目的やルールを確認する。
適宜、休憩をとる。
①.流れの確認
②.目的の確認
③.ルールの確認
④.自己紹介:〇名前 または ニックネーム。
〇自分の抱えている障害。
〇簡単な趣味・興味。
〇報告・連絡・相談。
⑤.皆で話し合いたいテーマがあれば話し合う。
⑥.最後に参加しての感想を話す。
≪わかちあいの目的≫
~一人では心細いですね?大丈夫。みんなでハッピーになりましょう!~
日本の総人口1億2644万3千人のうち、平成30年版障害者白書によると、精神障害者の人数は392万4千人で、その割合は約3.1%。平成28年度の蓮田市の人口6万2千465人の3.1%は、1939人。それだけ精神障害者がいると推測される。平成28年度の蓮田市の精神保健福祉手帳保持者はわずか439人で、あと1500人の精神保健福祉手帳不保持者がいることが推測される。世界的にノーマライゼーションの流れが加速する中、蓮田市内には精神障害者に対する差別や偏見がいまだ根強く存在する。精神障害者の家族・親族が、周囲の人から差別や偏見を受けることを恐れ、身内の障害を周囲に明らかにすることすらできない。当会は精神障害者やその家族・親族が偏見や差別を受けることなく、精神障害者が自立(自律)できる地域社会を築くことを目的とする。
≪わかちあいのルール≫
1.この当事者会では、皆が同等・対等の仲間です。
2.一人ずつ順番に。発言は強制しません。パスもあり。
3.今はダメでも後回しでお話しできるかもしれません。
4.全員が均等に発言できるように心がけましょう。
5.他者の発言中は割り込まず、言いっぱなし、聞きっぱなし。
6.個人的な非難・批判・意見は避けましょう。
7.討論・議論する場ではありません。
8.話し合いの内容は外部へ持ち出さないようにしましょう。
②自己紹介(名前もしくはハンドルネームと、近況報告) ☆参加者 5 名
③今後の予定、報告・連絡・相談(☆そよ風、〇蓮障連)
☆2019年10月19日(土)「そよ風」定例会開催予定(13:00~16:00、図書館、和室)。
☆2019年11月16日(土)「そよ風」定例会開催予定(13:00~16:00(開場13:00)、図書館、和室)。
〇2019年12月08日(日)障害者週間「ふれあいかがやきステージ」(14:00~15:30、ハストピア)。
〇2020年02月08日(土)市民公開講座(ハストピア多目的ルーム)。
★『精神障がい福祉にかかる打合せ』の報告
日時:2019年09月02日(月)、10:00~12:00 場所:蓮田市役所201会議室
参加者:蓮田市福祉課障がい福祉担当大塚様、蓮田市精神障がい者家族会「かもめ会」(3名様)、蓮田市精神障害者当事者会「そよ風」(2名)
- 自己紹介、各団体の近況報告、懇談会の必要性について検討を行いました。
- かもめ会の近況報告 → サロン「ペンギン」について
「かもめ会」のボランティア事業として、環境学習館の建て替えを計画している件
〇精神保健福祉に特化し、疲れたら寝ることができる場所。
〇例えば、月・水・金曜日を「風」と同じように利用できる。まずは、月一回。
〇職員はいない。親は居る。
〇来月10月から、中央公民館で試験的に開始する。
〇蓮田市の担当は福祉課障がい福祉担当の大塚様。
- 蓮田市の精神障がい福祉の目指す目的・目標の一致を図りました。
〇「そよ風」は懇談会の開催・継続を強く希望しました。
- 結果、「かもめ会」と「そよ風」の風通しが良くなりました。しかし、「かもめ会」の考え・方針に変わりはなく、早期の懇談会は行わないこととなりました。以下のような内容でした。
〇「かもめ会」は親がわかちあう場となっている。
〇自分の子供のことが第一。
〇「かもめ会」としては、「まず、場所を確保することが目的」と考えている。
〇家に居る人が出てきてくれることを願っている。
〇支援者の話はありがたいが、最後は「施設に来て欲しい」で終わってしまう。
〇懇談会は、サロン「ペンギン」が軌道に乗るであろう、約1年後に行う。
- 私の感想
〇残念ながら、当面、市と三団体(当事者会「そよ風」・家族会「かもめ会」・NPOかもめ)が一致して目指せる方向性を明確にすることができなくなりました。各団体で持っている理念や目的が異なっても致し方ないという結論でした。「そよ風」は懇談会を継続して開催し、方向性を明確にする必要性を訴えていくことが大切だという認識に変わりはございません。ただ、相手のいる話なので、簡単ではないでしょう。
〇「そよ風」の理念(わかちあいの目的に組み込まれている)・目的(下記)・目標(下記)は忘れずに堅持することが大切だと思いました。
[目的] 当会は精神障害者やその家族・親族が偏見や差別を受けることなく、精神障害者が自立(自律)できる地域社会を築くことを目的とする。
[目標] 〇関係者が情報を共有し、精神障害者が有効な情報(病院・薬・社会福祉制度・障害年金・社会資源・等)を確実に得られる地域社会であることが望ましい。当会は、精神障害者が権利で認められた情報を確実に得られるよう、互いに支え合い、助け合う場を確保する。
〇精神障害者は権利を主張するだけでなく、障害を乗り越えて生きようと努力する義務を果たすことが大切である。当会は、精神障害者一人一人が、自分らしく、生きがいを持って生きられるよう、切磋琢磨する時間を確保する。
〇特に留意すべきは、今、この瞬間も、精神障害を有するのがわからず、苦しんでいる人が必ずいるということである。当会は、このような人々の診断が遅れることなく、早期に治療を受けられ、回復されるよう、地域社会に精神保健福祉の必要性を訴える活動を行う。
④わかちあい
☆みんなでハッピーになれるよう、様々なことを一緒にわかちあいました。
☆今回のファシリテーターは「モアイ」さんで、わかちあいのテーマを1つ挙げさせて頂きました。「今後、そよ風の会員がピアサポーターとなっていくには、どのようなことを学ぶべきか。」
≪目標≫精神障害者やその家族・親族が偏見や差別を受けることなく、精神障害者が自立(自律)できる地域社会を築く為に、情報を確実に得られるよう、互いに支え合い、助け合う場を確保する。
互いに支え合い、助け合うには各会員の資質を高めることが必要となるでしょう。そのためのワークとして、今までに
- 「はじめの一歩(リフレーミング)」 ●「アサーション」
- 「バウンダリー」 ●「スティグマ」 ●「ピア」
をやりました。今回は「コミュニケーション」を学びました。
☆良好なコミュニケーションをとることは難しい。しかし、対等な信頼関係を築くためには、主に、傾聴・共感・受容・尊重することを忘れてはならない。その上でこれらの技法を注意しながら駆使することで、私たちのサポート能力(自助・共助の力)が向上すると思われる。
☆コミュニケーションを学ぶことで、多くの精神障害者が苦手としている、対人関係が良くなるのではないか。
★ちなみに、今後の学びの予定は、
- エンパワメント ●ストレングス ●リカバリー
となっております。
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①コミュニケーションとは
〇言語(バーバルコミュニケーション)
〇非言語(ノンバーバルコミュニケーション):表情(目の動き、顔色)、音調(声の大きさ、調子、スピード、息づかい)、身体(ジェスチャー、姿勢、相手との距離)、身体的接触、におい、外見(服装、髪型、化粧)
〇言語、非言語、すべてを総動員しても、思っていること、感じていること、考えていること、すべてを伝えることはほぼ不可能 → コミュニケーションは難しい
②対等に「わかちあう」ためには
相手の言葉・気持ちに耳を傾ける(ピア力の発揮!)=傾聴
相手と共に感じること(ピア力の発揮!)=共感
ありのままを受け止める(ピア力の発揮!)=受容
価値を認め大切に思う(ピア力の発揮!)=尊重
↓
信頼関係、わかちあい
③傾聴と共感
〇傾聴
話したいことについて、話したいペースでゆっくり聴いてもらいたい。非難されず、最後まで、ちゃんと聴いてもらいたい。
相手の語り・気持ちに耳を傾ける。
〇共感
私の感情をわかってもらいたい。表出していない感情もわかってもらいたい。
相手と共に感じる。Cf.同情:相手のために感じる
⇒伝える・語ること、聴くこと、理解すること
④傾聴
〇聞く(HEAR)⇒聴く(LISTEN)
表情から聴く
状況から聴く
語調から聴く
『対人支援の8割は傾聴』
〇聴く(LISTEN)⇒訊く(ASK)
よりその人らしさを引き出す
自分からは言い出しにくいが、訊いてもらえれば話したいと思うことがあります。
聞き上手な人は、聴き上手で、訊き上手
⑤促しの技法
相手の語りを促進する技法
視線を向ける
相手のほうに体を少し傾ける
適切な表情
あいづちを打つ
「ウン、ウン」「なるほど」「それで」
⑥繰り返しの技法
相手の話した言葉の一部、あるいは全部を言い返すテクニック
聞き手の熱心な態度を表す
一語一句まで真似してオウム返しにならないように注意
連続して使わず、重要だと思われるところを繰り返す
促しの技法の合間に使うと効果的
⑦共感の技法
相手が抱いている感情を正確に把握し、その感情を理解していることを相手に伝えるテクニック
相手の感情に付きそう態度を実現
相手を基準(共感)VS 自分を基準(同情)
繰り返しの後に用いると効果的
⑧要約の技法
相手の話した長話の内容から、相手のいいたいことを整理して返してあげるテクニック。
要約は共感、受容につながる。
長話の人は何を言いたのか自分でもよくわからなくなり混乱している場合も多い。
共感の後に用いると効果的
⑨保証の技法
何かに対して不安や恐れ、不快な感情を抱いている相手に対して、言語(言葉)と非言語(表情や動作)の両方で守り、支え、勇気をつけるテクニック。
相手の抱いている感情を正確に把握していることを伝えるために共感の技法を身につけていることが前提になる。
安易な保証は逆効果。
⑩沈黙の技法
相手の言葉を黙って待つテクニック。
「間」をとり、待つことで相手がモノゴトを深く考えて、うまく表現することが可能になる。
相手が考えている場合に有効。
相手の思考が停止しているときには「明確化の技法」(先回りして言い過ぎないこと)
⑪明確化の技法
相手が伝えたいと思っている内容を相手に代わって明確な言葉で表現する、もしくは質問をするテクニック。
〇認知レベルと〇感情レベルがある。
「沈黙の技法」とは逆の使い方。
あまり先取りしてしまうと、ご本人の言葉を奪ってしまう。
⑫自己開示の技法
ワーカーの体験した事実を伝え、問題解決の参考にしてもらう。
クライエントと共通な経験があることを伝えて、共感に説得力を持たせる場合もある。
しかし、安易に重ねあわせて共感するのは逆効果。
また個人的経験の活用場面も慎重に。
⑬オブジェクションの技法
クライエントが話したいことについて、ワーカーがクライエントの行動や思いを客体化する技法。
見えてこなかった部分が見えてくるという効果がある。
⑭対決の技法
相手の言動と感情のズレを指摘し、自分自身に向き合わせる。
前の答えと後の答えとの間でつじつまがあわない、または言葉に一貫性があっても表情や動作が不自然だったりしたときにその矛盾に相手を直面させるテクニック。
いたずらに、性急に正してはいけない。
⑮直面化の技法
クライエントが自分の問題を直視できるようにする。
信頼関係の成熟度、ご本人のタイミングなどをかんがみての直面化の技法。
安易な、アセスメントなしの直面化はリスクを伴う。
- 出典
2012年10月28日(日)
聖学院大学の相川章子教授によるポプリ勉強会「面接技術」
資料「面接技術」のPP.15-33より、引用
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相川先生、引用の許可を頂き、本当にありがとうございました。